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   NAGOYA DENTAL  ASSOCIATION

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第5回介護予防における口腔機能向上研修会


 

平成23年2月24日(木)15:30〜
中区役所ホール
演題:くらしを守る、命を守る、口腔ケア
   〜口腔機能向上の目指すところ〜
講師:菊谷 武先生
日本歯科大学大学院生命歯学研究科
臨床口腔機能学教授 
口腔介護・リハビリテーションセンター長 


講演要旨
 年間死亡者数は現在約100万人で、今後急増し、2015年140万人、2025年160万人と、高齢者多死時代へと向かっている。
 現在、80歳平均残存歯数は約10歯 8020達成者は21%で、10年後には約60%になると推測される。しかし、残根だらけの8020では悲しい8020である。
 バイオフィルムは、菌体外多糖に取り囲まれ、消毒剤、抗菌剤が浸透しない。  バイオフィルムの破壊には、歯ブラシによる物理的掃除が必要である。しかし、うがいが出来ないと、バイオフィルムの破壊により拡散した細菌が気管に入り、誤嚥性肺炎の原因になるので注意が必要である。肺炎は日本人の死因の第4位、その内の約95%は高齢者である。高齢者の肺炎の致死率は成人の3倍である。
 誤嚥性肺炎について、@感染源対策として、口腔ケアにより、口腔内の細菌数を減らす。口腔ケアの自立とは、‘誰かが見て、磨けていること’である。A感染経路対策として、飲み込み障害を早期発見し、飲み込み機能、むせる機能を改善して誤嚥を防ぐ。ブラシングによる刺激は、機能改善に効果がある。B感受性(宿主)対策として、栄養改善により免疫力を高め、個体の抵抗力の低下を防ぐ。栄養について、高齢者の低栄養は有病率を高める。肥満はメタボリック症候群となり、糖尿病、心臓病により死亡率が増加するが、やせすぎも肺炎、結核になりやすく、死亡率は増加する。高齢者は、少し太めのほうが死亡率は低い。長生きのためには、小太りじいさん、小太りばあさんがよい。
 咀嚼器官は、顎、口唇、舌、頬、口蓋、歯、唾液などで構成されている。口腔の筋肉は特に重要である。筋肉の低下が舌の機能低下につながり、口腔機能低下となる。しっかり食べられることは、たんぱく質、エネルギー不足を防ぎ、サルコベニア(筋肉滅弱症)を防ぐ。それにより、口腔筋が向上し、口腔機能向上につながる。体の筋肉が向上し、基礎代謝が向上、食欲増進し、しっかり食べられるというサイクルになる。
 認知症予防について、口は脳の出店であり、口をコントロールする多くの神経が集中している。そのため、口を鍛えると脳を刺激することになる。
転倒がきっかけで、ねたきりになる事が多いが、義歯を入れると、転倒しにくくなることが分かっている。
 窒息事故について、年間約4500人の窒息事故があり、交通事故死を超えている。窒息の危険因子として、臼歯部咬合がない、認知機能低下、食事の自立などがある。臼歯部咬合がないと咀嚼機能が低下して、喉に負担がかかる。認知機能低下により、咀嚼能力を超えた量を1度に口の中に入れてしまう。その結果窒息事故につながりやすい。
 口腔ケアは、肺炎の発生を40%減少させ、肺炎による死亡を50%減少させる。震災時にも、口腔ケアは重要であることが、多く報告されている。またインフルエンザは、口内が汚いと喉の粘膜が丸出しになり、ウイルスがつきやすくなることから、予防には手洗い、うがいに加え、口腔ケアは重要である。
 名古屋市歯科医師会 公衆衛生部   
委員 今井章元 文  
               委員 大塚敏雄 写真
 







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