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平成30年度 歯科医療技術者養成事業受講者の募集は終了しました。
名古屋市在宅歯科医療・介護連携室について掲載しました。
平成30年度 歯と口の1日健康センター実施予定表を掲載しました。
平成29年度歯科医療技術者養成事業受講者の募集について掲載しました。
平成29年度歯と口の1日健康センター実施予定表をスケジュールに掲載しました。
市民健康講座 食育講演会 在宅講演会をトピックスに掲載しました。
「市民健康講座 食育講演会 在宅講演会」
平成29年3月23日(木)14:00~
中区役所ホール
第1部 食育講演会
演題:寝たきりにならない食事
講師:名古屋大学環境医学研究所客員研究社 伊藤 綾香先生
【講演要旨】
2017年3月23日(木)に中区役所ホールにて14時から17時まで市民健康講座、
第1部が食育講演会で演題は「寝たきりにならない食事」で名古屋大学大学院環境学研究科客員研究者の
伊藤絢香先生をお招きして約1時間半ご講演いただきました。
伊藤絢香先生はアメリカにも留学されていて今も世界中を飛び回っているとのことです。
伊藤先生自身も非常に食べることが好きで自身も中日ビルで料理教室を開いているほどです。
伊藤先生によると寝たきりにならないには、お魚をたくさん食べること、お肉中心ではなく魚をよく食べることが大切。
さらに今は糖質制限ダイエットが流行っていますが
糖質制限ダイエットよりも更に効果があるのが地中海式ダイエットらしいのです。
地中海式ダイエットとは地中海地方の料理を食べるダイエットのことで
主に魚料理やお豆チーズ・ヨーグルトなどの乳製品そして1番いいのがオリーブオイル。
この地中海地方でよく食べられる食材を取り入ることは非常によいらしく特にオリーブオイルがいいとのことでした。
よく食べることで健康になり食事を楽しむことがさらに社会とのつながりにもなるので
きちんと良質な栄養を取り社会とつながることが寝たきりにならない秘訣とおっしゃっていました。
講演は非常に盛況で会場もほぼ満員でした。
みなさん食事には非常に興味があり身近なことなので聞きやすく質問もたくさん飛び交い盛況のうちに幕をとじました。
第2部 在宅講演会
演題:すべての人に優しさと豊かさを口腔ケアができること
講師:愛知県歯科衛生士会監事
池山 豊子先生
【講演趣旨】
高齢化社会の真っただ中、加齢とともに心身の機能の低下は避けられない。
しかしそうした現実の中においても人は食べるという行為を継続していく。
こうした重要な食べる行為を支えるのは口腔機能である。
その口腔機能を正常に継続的に維持するために口腔ケアはもっとも重要なのである。
人間の口の機能については、唇、舌、嚥下、唾液などそれぞれの大事な役割がある。
唇には温度のセンサー的な役割があり、粘膜で覆われており毛細血管が多いので赤い。神経がたくさんあり、敏感である。
舌には、唇と同様敏感な部位であり、掌の400倍もの神経がある。また歯がない方は舌を使って唾液とからめて柔らかくし食べ物をつぶせる強い力がある。
唾液には、1日に1.5リットルもでていて、抗菌作用があり、唾液がないと味もわからないものである。
嚥下とは、のみこむ機能のことで、加齢とともに筋力が衰えるとむせることが増える。
この嚥下機能の確認は、喉仏に指3本をあて、唾液を30秒間に3回のみ込むことができれば問題はないとされている。
介護の現場では、口の機能が衰えている人が多く、
近年65歳以上の死亡原因第3位に肺炎とあるが、誤嚥性肺炎死が多いのが現状である。
普段何気なく食べている食べ物でも窒息してしまうのである。
窒息する高齢者の傾向としては、
①自分で食べる方
②奥歯がない方(奥歯を噛みしめると、下あごが安定しのみこみやすくなる)
③認知症の方 などがあげられる
また、窒息に気を付けなければならない食べ物は海苔、白菜、マグロのたたきなどがある。
これら嚥下機能を維持向上させることに口腔ケアはもっとも効果的なのである。
また、施設内のインフルエンザや感染症予防にも口腔ケアは効果があるといえる。
咀嚼機能については、歯根膜で硬さを伝え、この硬さがおいしいと直結する。
噛むと食べ物の表面積が広がり、さらにおいしさを感じやすくなる。
おいしく食事をするには、楽しんで食べることが大切である。
食事だけでなく、リハビリ等で立ち上がる時に、奥歯を噛みしめ、体を支える機能にも重要である。
虫歯は、口の中に食べ物が入っている時間が長いほどなりやすく、中高年では、加齢とともに免疫力が下がり、歯周病が起きたりする。
すべての年代において健康な歯を保つために口腔ケアは欠かせない。
そんな中でも近年、8020該当者が増加してきたのは定期的にケアに行く等、高齢者の意識が高まってきたためだろう。
ただし、認知症になるとケアできなくなり、食べ物を食べ物と認知しなくなることもある。
食べ物と口との距離がつかめなくなったり、スプーンが使えなくなり、栄養が体に入らなくなる。
飲み込むには姿勢が重要で、両足を着き、姿勢を正す必要がある。
胃ろうは原因が分からずなる方も多いが、ご自分の唾をのみこんだり、口で食べられるようになることもあるため口腔ケアは重要である。
このように、口腔ケアの効果は歯と口の清掃以外に、誤嚥の予防や口腔機能の低下を助けたり、
継続的に維持するために必要であり、豊かな食生活を支えるのに欠かせないものである。
老人保健施設での現状をわかりやすく講演していただきありがとうございました。