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名古屋市歯と口腔の健康づくり推進条例

名古屋市歯と口腔の健康づくり推進条例をここに公布する。

平成25年 3月29日

名古屋市長  河  村  た か し

名古屋市条例第18号
名古屋市歯と口腔の健康づくり推進条例

生涯を通じて自分の歯でおいしく食べることができる幸せのためには、乳幼児期から成人期、高齢期までのそれぞれの時期における一貫した歯と口腔の健康づくりに関する対策が必要です。平成元年に提唱された80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目標とした取組である8020運動は、生涯にわたる歯 と口腔の健康づくりの運動として、徐々に国民に普及するようになりました。

同運動については、全身の健康の保持増進という観点の科学的根拠が蓄積され、 80歳になっても自分の歯を20本以上保った8020達成者は、生活の質を良好に保ち、社会活動に意欲があることが明らかになっており、健康長寿社会の実現に 向けた歯と口腔の健康づくりに関する取組がさらに重要となっています。

市民の健康の保持増進には、歯と口腔の健康を保持し、食事や会話を始めと した質の高い生活を構築していくことが重要です。

このためには、市民が自ら歯と口腔の疾患の予防に取り組むとともに、早期に歯と口腔の疾患を発見し、治療することが重要です。また、生涯にわたり必要な歯科口腔保健サービスと歯科医療を受けることができる環境を整備し、歯 と口腔の健康づくりに関わる関係者と連携し、歯と口腔の健康づくりに関する 健康格差の縮小を目指すための対策を講じなければなりません。

そこで、地域特性と時代の要求にあった市民のための歯と口腔の健康づくり を推進していくために、この条例を制定します。

(目的)

第 1 条  この条例は、歯と口腔の健康づくり(歯及び口腔の健康の保持若しくは増進又はそれらの機能の維持若しくは向上を図ることをいう。以下同じ。)が市民の生涯にわたる全身の健康の保持増進に重要な役割を果たすこ とに鑑み、歯と口腔の健康づくりに関し、市の責務等を明らかにするとともに、施策の基本となる事項等を定めることにより、歯と口腔の健康づくりに 関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって市民の健康づくりに寄与す ることを目的とする。

(市の責務)

第 2 条  市は、国、県、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他の歯科医療又は保健指導に係る業務に従事する者(以下「歯科医療等関係者」という。)、保健、医療、社会福祉及び教育に係る業務に従事する者であって歯 と口腔の健康づくりに関する業務を行うもの(歯科医療等関係者を除く。以 下「保健医療等関係者」という。)その他の関係者と連携を図りつつ、歯と 口腔の健康づくりに関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する ものとする。

(市民の役割)

第 3 条  市民は、歯と口腔の健康づくりについての関心及び理解を深め、正し い知識を持ち、自ら積極的に歯と口腔の健康づくりに努めるものとする。

(歯科医療等関係者の責務)

第 4 条 歯科医療等関係者は、歯と口腔の健康づくりに資するよう、相互に、 及び保健医療等関係者と連携して、適切にその業務を行うとともに、市が歯 と口腔の健康づくりに関して実施する施策に協力するよう努めるものとする。

(保健医療等関係者の責務)

第 5 条  保健医療等関係者は、相互に、及び歯科医療等関係者と連携して、歯 と口腔の健康づくりを推進するよう努めるとともに、市が歯と口腔の健康づ くりに関して実施する施策に協力するよう努めるものとする。

(基本的施策の実施)

第 6 条  市は、国、県、歯科医療等関係者、保健医療等関係者その他の関係者と連携を図りつつ、歯と口腔の健康づくりに関し、次に掲げる施策を実施するものとする。
(1) 歯と口腔の健康づくりに関する健康教育及び食育推進、歯科検診、口腔ケア並びに口腔機能の維持及び向上に関すること。
(2) 母子保健、学校保健、成人保健、高齢者保健等における歯と口腔の健康づくりに関すること。
(3) 障害者、介護を必要とする者、妊産婦その他の者であって定期的に歯科検診を受けること等又は歯科医療を受けることが困難なものを対象とした歯と口腔の健康づくりに関すること。
(4) 父母その他の保護者による適切な歯と口腔の健康づくりが行われていな い子どもへの対応に関すること。
(5) 糖尿病その他の口腔の疾患に関連のある生活習慣病の対策並びに喫煙による歯及び口腔の健康被害の防止対策等に関すること。
(6) 口腔に発症するがんの早期発見に関すること。
(7) 災害発生時における歯科医療等の提供に関すること。
(8) 歯科医療等関係者等の資質の向上に関すること。
(9) 歯と口腔の健康づくりに関する施策を効果的に実施するための情報の収集及び調査研究に関すること。
(10) 歯と口腔の健康づくりに関する施策の評価に関すること。
(11) 前各号に掲げるもののほか、歯と口腔の健康づくりに必要な事項に関すること。

(財政上の措置)

第 7 条  市は、歯と口腔の健康づくりに関する施策を実施するために必要な財 政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(市会への報告)

第 8 条  市長は、毎年度、本市の歯と口腔の健康づくりに関する施策の実施状 況等を取りまとめ、その概要を市会に報告するものとする。

(委任)

第 9 条  この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定めるものとする。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

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