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「第10回介護予防における口腔機能向上研修会」

平成28年3月24日(木)15:30~
中区役所ホール

演題:摂食嚥下障害の評価と対策
講師:藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座教授
藤田保健衛生大学病院医療連携福祉相談副部長 加賀谷 斉先生

【講演要旨】

日本の人口は2008年をピークに減少しつつあり、
22世紀初頭には4500万人くらいになると予測されている。
これは20世紀初頭と同じくらいであるが、人口分布が異なる。

特に高齢化が著しいのは実は大都市圏で起こる問題である。
そうすると多死、多障害の問題が起きてしまい、要介護者が増えてしまう。

日本人の死因の中で摂食嚥下と深く関わってくるのは肺炎であり、
肺炎で亡くなる方の9割は65歳以上の高齢者となり、肺炎で入院した高齢者の6割は誤嚥性肺炎となっている。
誤嚥性肺炎は誤嚥しなければ誤嚥性肺炎にならないので摂食嚥下障害の対策をするべきである。

摂食嚥下障害かどうかを調べるためのスクリーニングテストとしては
質問紙法、反復唾液嚥下テスト、水飲みテスト、フードテストなどがある。
その後詳しく調べる検査としては嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査を使い分けて行っている。
誤嚥した時に人間はむせるが、重度の嚥下障害の場合むせないことがあるため
検査などせずに見落としてしまうことがあるため注意が必要である。
このような場合、ある日突然肺炎で入院することになってしまう。

誤嚥には飲食物による誤嚥、唾液を誤嚥、胃内容物の逆流による誤嚥の3つあり、
飲食物による誤嚥は飲食しなければ防ぐことができるが残りは経口で飲食していなくても起こってしまう。

誤嚥性肺炎は誤嚥さえしなければ起こり得ないが、高齢者は誤嚥してしまうのが当たり前である。
つまり誤嚥しなくすることが難しいということである。
なので、誤嚥することを前提として誤嚥性肺炎を起こさないようにしていくことが重要となる。最も効果的な方法は口腔ケアである。

具体的には、口腔ケアを行うことによって口腔内がきれいになり、食事がおいしくなり食べようという意欲が湧く。
口から食べるということ自体が口腔ケアの一つとなっている。つまり経口で食事をしていないほど危険である。

今の医療で誤嚥性肺炎に一番効果的なのは口腔ケアである。
なぜ口腔ケアを行うと誤嚥性肺炎に効果的かというと肺炎になるのは汚いものを誤嚥するからであって、
きれいなものを誤嚥しても肺炎にはならない。つまり口腔内がきれいであれば誤嚥性肺炎になりにくいということである。

誤嚥に対する対策としては、まずは何を誤嚥しやすいかによって食事を考える。
防止する方法としてはまず、息を吸ってから止めてそのまま飲み込むその後咳をするという方法がある。少し練習が必要だが一つの方法である。他には体をリクライニングさせて嚥下させる方法がある。比較的安全であるが、座位のほうがよい場合もあるので、それぞれ見極める必要がある。

嚥下に対するリハビリ訓練には間接訓練と直接訓練があり、食べ物を使わないのが間接訓練、食べ物を使うのが直接訓練となる。
最後に実際に自宅において何ができるかというと、食べる飲むときにむせる場合まず食事にとろみをつける、
一口量を少なくする、ゆっくり食べる、リクライニングさせる、義歯が合わない人は歯科受診を勧める、口腔ケアを行う、
かたい食べ物を柔らかくする、細かく刻む、嚥下の意識化(食べることに集中させる)などを行うと改善することが多い。

講演会後の質疑応答では、介護にかかわっている方からの具体的な質問に具体的にわかりやすく説明されていました。

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