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名古屋市歯科医師会 50周年記念講演会


平成25年2月11日(祝)

 
 2月11日(祝)午後1時半より、昨年9月に新しくなったばかりの愛知県歯科医師会館2階 歯〜とぴあホール において 名古屋市歯科医師会設立50周年記念事業として、50周年記念講演会「モノ」から「ヒト」へのパラダイム変換〜崩壊寸前の現代文明と題して、兵庫県立大学大学院シミュレーション学研究科 佐藤哲也教授にご講演を頂きました。今回、記念講演会ということで、歯科関係者以外に一般の方々にも参加していただきました。

 事前に中日新聞にも記事とお知らせを載せていただき、多数の一般の方々のご参加もあり会員の先生方も含め会場がほぼ満席となるほど大変盛況な講演会となりました。また会場には名古屋市歯科衛生士学校の生徒さんも多数来場され、熱心に聞いてみえました。
 講演は第1部と第2部の構成ではじまり、第1部は戦後社会の全てのシステムがリセットされ、ゼロからの出発となった時代背景と科学が自然法則発見の時代から応用(技術)の時代に入り、その結果急速な経済成長をもたらした。そして21世紀に入って2002年の地球シミュレータの出現によりシステムを丸ごとシミュレーションするというシミュレーション科学の大変革をもたらし、その結果初めてシミュレーションが人間社会に直接貢献することができるようになったことを話された。社会に還元できるシミュレーションの例として地球磁場生成と不規則な南北磁極の逆転現象、地球丸ごとシミュレーション、地震、オーロラ形成シミュレーション、衝突実験などを示された。
 しかし、シミュレーション科学には残された最大の課題があり、我々が認識するマクロな現象界の奥にはいくつものミクロな階層構造が存在しておりこれらの階層は孤立無援ではなく、階層間に適宜エネルギー情報が交換され、有機的に活動している。それゆえに現象界の営みを原子や分子の極微のスケールから厳密に解き明かすことは、不可能であること。そこで、ミクロ階層を現象論(パラメータ)で近似する方法を採用しこの階層間の難題をいかに現実社会に適応できる方法論を打ち立てるかがシミュレーション科学の今後の挑戦課題であると話された。
 シミュレーション科学は自然科学を飛躍的に発展させた。しかし、自然現象の解明には大きく貢献するが、現在の人間社会の閉塞感を取り払う役割はほとんど期待できない。
確かに、原子構造の解明は原子力エネルギーの利用を人類社会にもたらした。しかしながら、自然の猛威の前に敢え無くその絶対性の根拠を奪われてしまった。
では、巨大地震の襲来を事前に把握できるか、即ち、その襲来を完全に科学的に予測できるか、という命題に対してほとんど不可能と言わざるを得ない。
強力なスパコンを駆使し新機能を持つ製品はどんどん開発することができる。しかしながら、日常生活に役立つモノは巷にあふれており、新機能だからといってどんどん売れる世の中ではなくなっている。人間生活の必要条件は満たし得るが、十分条件は満たし得ない。科学技術が人間生活の豊かな営みを先導する時代は終わったと話された。
 第2部は「モノ」から「ヒト」へのパラダイム転換として「コンピュータの新しい活用法 ― シミュレーション学のすすめ」として話された。
 人間の5000年の文明の展開の歴史は人間が生存するための自然との闘い(知性)、人間の欲望との闘い(野性)の歴史であった。大河の定期的な氾濫による肥沃な土壌の供給を見出し、作物を生産することから農耕文明が誕生 −自然との共生、人間同士の協調 ― 知性。人間の支配欲・権力欲の芽生えによる領土拡大と封建性の確立 ― 蛮性。人間固有の感性・創造性の発露としてのルネッサンス ― 感性。人間固有の知識欲としての西洋科学 ― 知識欲。人力や馬力をはるかに超える力(機械の発明) ― 産業革命。その機械力を大いに活用した人間社会の活性化と豊かさの拡大 − 物欲。大量生産(資本家)と賃金労働者の分極 − 資本主義。この複雑に絡み合った巨大化した慣性システムとしての日本の社会・経済システムは、政治の力では方向転換が不可能であることをここ3年間の民主党政権の崩壊が如実に証明した。
“器(システム)は空っぽの間はいくらでも吸収することができるが、満杯になれば、もはや吸収不可能となり、器は壊れていくしかない“
 では、どうすればよいのか?複雑化した巨大なシステムをそのまま転換することは政治の力をもってしても不可能であるとの認識に立ち、絡みの小さな転換可能な身近な様々な地域的なシステムを 一つ一つ丹念に新しいシステム(器)に修正していくことが“急がば回れ“であると考えた。そこで特に戦後の経済の動向と科学技術の動向に注視し、これまでのパラダイムである西洋合理主義・要素還元主義に基づく差別化・効率化・スピードアップ化・グローバリゼーションによる社会システムが飽和に近づいたという認識に立ち、この現代パラダイムをモノ・情報が中心であるパラダイムから脱し、ヒトを中心に据えるパラダイムに転換することを提案した。
 まとめとして、バブル崩壊・リーマンショックは、西洋的合理主義の社会から脱却し、ヒトが社会や自然と交わる、そこに一人一人が生きがいを感じ、働きがいを持ち、暮らしがいを感じることのできる社会システムを創り上げていく。ことによって現代の地方の過疎化、若者の就職難、少子化・高齢化などの閉塞した社会を身近なところから生き甲斐のある、働き甲斐のある、住み甲斐のある社会の開拓に貢献するのではないだろうか?と話を締めくくられた。  








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